以前大騒ぎになった、2008年から2014年にかけて2000億円以上の利益の水増しをしたT社不正会計問題。
その原因が、あまりにも有名になった、経営陣から各部署への無茶苦茶な利益アップ要求、いわゆる
チャレンジです(^^)!
本来前向きな意味のチャレンジという言葉が、不正行為の原因になってしまったのも、なんとも皮肉な感じがしますが、
サラリーマンをやったことがある方なら分かると思いますけど。。。このチャレンジ、
程度の差こそあれ、だいたいどこの会社でもやっています^^;
ここで誤解して頂きたくないのは、チャレンジの結果の不正会計のことではなく、チャレンジそのもののことを言っています。
さすがに、これだけコンプラ違反に厳しい世の中、不正会計にまで手を染める会社はなかなかありません。
しかし、チャレンジは、どこの会社でも日常茶飯事だと思います。
要は、上からの要求で、当てもないのに、利益計画を水増しすることです。
よく、ワンマン企業や根性論風土のある企業、下請け企業なんかが、このような無理なチャレンジ文化になりやすいと言いますが、
僕が思うに、別な視点として、
中期計画に重きをおく会社も危ないです。
中期計画とは、だいたい4〜5年先の近い将来の利益計画のことです。ほとんどの会社が中期計画をつくっていると思いますが、会社によってその重みは様々です。実績重視で中期計画なんて片手間な会社、中期計画はあるが中期といいながら毎年更新している会社。
いろいろありますが、意外に多いのが、中期計画の目標は、その期間は変えないという会社です。
ある意味、初志貫徹というか覚悟がいいとも言えるかもしれません。
しかし、その変えないことが「神聖不可侵」になると悲劇が起こります。
例えば、15年につくった中期計画の18年利益目標が50億円だったとします。そして、18年の予算を策定する時期がきて、どう頑張っても、45億円しかいかなさそうな見込みになるとします。
その時、お上から、
「中期計画目標は必達だ」とお達しがくる。
そして、事務方にて、差の5億円分のノルマが各部署に割り振られるのです。
こんなような展開になる会社はたくさんあると思いますが、ではなぜ、他社は某T社のような大問題に発展しないのか?
それは、T社ほど滅茶苦茶なチャレンジではないため、なんとか現場が吸収しているためではないでしょうか。社員もバカではないので、ある程度チャレンジがくるのではないかと考え、多少、ポケットを持っているものです。また、たいていの会社には調子のいい事業もあれば、悪い事業もありますので、結果的にチャレンジ以上の実績があげられる事業もあり、会社全体としてはチャレンジを達成できてしまったということもあると思います。
話しを戻すと、これだけ変化の激しい今の世の中、4~5年間も同じ目標なんてあり得ません。むしろ節操がないぐらい、どんどん目標を変えていかないといけない時代です。それでなくても日本の会社は意思決定のスピードが遅い(海外でよく感じる)ので、せめて目標ぐらい柔軟に設定しないと戦えません。
「おまえ中期計画をつくったときにコミットしただろう!」と上司に言われても、「この3年間にどれだけ環境が変わったのか理解してんのか!?」って話です。
昔とは変化のスピードが段違いなのです。
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