WHOによると世界のうつ病患者は3億人以上いて、年間80万人がうつ病が原因で自殺しているそうです。日本にも100万人以上のうつ病患者がいます。日本では、うつ病など精神疾患が、自殺の理由のトップになっています。
また、企業でうつ病患者が出たときの損失額も大きく、厚労省が2010年に調べたところ、うつ病による経済的損失は7700億円もあったそうです。自殺も含めると2兆7千億円もの損失になります。仮にメンタル疾患で社員が1年休業した場合、その人の年収の約3倍の損失が発生します。
本当に莫大な損失ですね。いまやメンタル疾患で休業する社員は、企業の約1%も存在すると言われています。うつ病などメンタル不全を未然に防いだり、メンタルになってしまってもしっかり回復までサポートすることが、社会的にも企業的にも非常に重要な課題です。
うつ病の発生原因は、まだ分かっていないことも多いそうですが、「心理的なストレス」、「脳内変化」があるそうです。
つまり脳が何らかの心理的なストレスを受けると、脳の神経細胞の形に変化が生じて、それによって感情に歪みが起こるらしいです。
また、うつ病は遺伝との関連もあるそうです。親兄弟にうつ病になったことがある人がいると、発症率は高くなることが分かっています。
このことから、うつ病をなんとかしようと思ったとき、ストレスは個人によって感じ方が全然違うことや遺伝的なものは防ぎきるのは難しいことから、ある割合でうつ病は発生してしまう、ように思います。(もちろん、日本の閉塞感のある社会構造やいじめの問題なども背景としてありますが。)
そう考えた場合、やはり「うつ病からの回復」がうつによる損失を防ぐために重要になると思います。
それなりの規模の会社であれば、だいたいうつ病からの「職場復帰支援プログラム」みたいなものがあります。
例えば、
心理的負担を考慮して、必ず元職場に戻す
業務遂行能力があるかどうかは主治医が判断する
最初は軽作業から始めて、段階的に負荷を上げる
上司・職場による手厚いサポートの実施
などの対策があります。
僕も職場で少なからずメンタル不調の方(昔、上司でもいた)を見てきましたが、これらの対策で一つだけ「どうなの?」なものがあります。
それは、上司・職場のサポートです。もちろんこれも大事なのは分かっています。当たり前ですが、上司・職場は、職場復帰するときには、彼(彼女)がメンタル不調だと「知ってしまって」います。こうなると、これは良い悪いではなく、どうしても過度に気を遣ったり、腫れ物に触るように対応してしまいます。
どうしても、「俺のせいで彼(彼女)のうつ病が再発してしまったら。。。」と考えてしまいます。これはどうしようもありません。
すると、職場に復帰した彼(彼女)は、人によっては、それを敏感に感じてしまいます。そうすると、「職場に迷惑をかけてはいけない!」と頑張ってしまい再発。。。こういう人もいると思います。僕が見てきた経験では、うつ病になる方は、「人の期待に応えよう」と頑張るタイプが多いように思えます。
ですので、上司・職場には、うつ病の事実を完全に極秘にする、という方法も有効だと思っています。長期療養時も産業医が適当に身体的疾患を理由にしてしまうのです。僕なら、上司・職場がうつ病の事実を知らないほうがむしろ復帰しやすいと考えると思います。
みなさん、どう思いますか??もちろん全てに当てはまるとは思っていませんが、この方法が有効な患者さんは結構いると思います。
ではまた(^^)
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