以前のブログで就職するならメーカーが楽ちんというお話しをしました。
定着率が高い業種は? - 汎用リーマンがいく
ただ、メーカーといっても、いろいろな会社があります。
お堅い分類では、食品、飲料、繊維、家具、紙、印刷、化学、石油製品、鉄鋼、非鉄、電子部品、情報通信、自動車など多岐にわたります。
付加価値が高いモノからほとんど付加価値のないモノまで、いろいろな種類のモノがつくられています。
就職するなら「付加価値の高いモノをつくっているメーカーに行きたい!」と考える方が多いと思いますが、一概にどっちがいいか言えないと思います。
今日は付加価値についてお話ししたいと思います。
付加価値の高いモノ
要は利益率の高い製品です。
高い技術力+ブランド力により高付加価値を維持しています。
しかし、この業界は競争が激しいです。
分かりやすい例は、デジタル家電業界ですが、昔と今の液晶テレビの価格を比べれば、いかに技術の進歩が速いか、陳腐化するのが早いかが分かると思います。
よって、常に新しいモノ、いいモノを開発していくことができなければ、瞬殺される業界です。
また、ブランド価値を上げるために、常に自社の製品を世間にアピールし続けなければいけません。
付加価値が高い製品をたくさん持っているメーカーは利益率は高いでしょうが、そこに勤める社員は、厳しい競争のなかで頑張っていかなければいけません。
例としていいかどうか分かりませんが、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)ってあるじゃないですか。子供の頃よくつくりました。
また流行ってるらしいですが、あれって、いいグレードだと100分の1スケールで5,000円前後するんですよ。
原材料費は、ほとんどがプラスチックです。
プラスチックもいろいろな種類がありますが、プラモ向けは、大体がポリスチレン、ポリエチレン、ABS樹脂。
どのプラスチックかによって市況は違いますが、だいたい100~300円/kgぐらいです。
100分の1スケールのプラモで、重さが500gぐらいなので、原材料費は50~150円ぐらいになります。
150円だとしても、販売価格に占める原材料費の割合は、たった3%です!
原材料費なんて無いようなものです。
成形費用、人件費、経費などのその他コストがどれぐらいかわかりませんが、ガンプラの付加価値がものすごく高いことは分かります。
しかもガンダムブランド。基本、何もしなくてもブランド力が保てて、競合がいない。
こういう商品をもっている会社は楽だと思いますが、先ほど申したとおり、通常、高付加価値分野は厳しい競争下にあります。
汎用品
付加価値が低いので、それほど利益率が高くないです。
例えばガソリン。
ガソリンの原料は原油です。
石油精製会社が原油を精製して、ガソリンを製造します。
ここでポイントは先ほどのガンプラと違い、ガソリンのコストの大部分が原材料費です。
原油を精製しているだけですので。
つまり付加価値がほとんどなく、またガソリンの品質はどの会社も大きな違いがありません。
まさに汎用品です。
「こんな汎用つくっている会社は利益率が低くてヤダ!」と思う方がいるかもしれません。
ことはそう単純ではありません。
車を運転される方は、ガソリンを入れると思います。
ガソリン価格が、原油市況に連動して日々上下するのをご存知かと思います。
つまり、何もしなくても勝手に値上げ(値下げもですが)してくれるわけです!
川上のエネルギー、素材関係はそのような製品が少なくありません。
なぜならば、その製品のコストのほとんどが原材料で、付加価値が低いので、原材料の価格変動をタイムリーに製品に転嫁できないと即死するためです。
よって、薄利ですが、自動的に利益が確保される仕組みになっており、汎用品ゆえに開発競争も厳しくなく、販促もそんなにありません。
これは楽です。
なので、僕のおすすめは、就職するならメーカーの中でも川上(エネルギー、素材など)です。
就職活動の参考になれば幸いです。
ではまた。
本日もブログを読んでいただき、ありがとうございます。