おはようございます。ヒロンです。
今日も寒いですね@関東。
今日は少しお堅い話なのですが、まず僕は、経理屋さんでも税務のプロでもありません。ただの適当サラリーマンです。
ですが、以前、業務の行きがかり上、国際的な移転価格税制の問題に関わったことがあり、日本や海外の税務当局と実際に交渉する羽目になりました。
そのときの経験の詳しい内容は生々しくて書けないのですが、「なるほど。こういう世界もあるのか」と勉強になったこともあるので、今日は移転価格税制のお話をしたいと思います。
なお、僕はプロではないので専門用語等分かりません。素人には理解しやすい反面、プロから見ると稚拙に感じるかもしれませんがご容赦を。
移転価格税制とは
まずはWikiさんから。
移転価格税制(いてんかかくぜいせい、英: Transfer pricing Taxation)とは、独立企業(資本や人的に支配関係にない企業間)間で取引される価格(独立企業間価格、英: arm's length price)と異なる価格で関連者(資本や人的に支配関係にある外国会社)と取引が行われた場合、その取引価格が独立企業間価格で行われたものとして課税所得金額を算定する税制である。日本の税制では、法人(内国法人・外国法人)と国外関連者の間の取引に付された価格を対象として移転価格税制が組み立てられている。英語ではtransfer pricing taxationということから、『TP』とも呼ばれる。
難しいですね。。。簡単に言うとこうなります。
例えば、日本の会社A社があります。その海外の子会社をB社とします。A社とB社では、ある製品で社内売買があるとします。
日本の税率は40%、海外の税率を20%とします。
日本で100万円、海外で100万円稼いだとすると、
日本:100万円×40%=40万円を税金でもっていかれる。
海外:100万円×20%=20万円を税金でもっていかれる。
当然、税率は国によって違いますので、こうなりますよね。
ここで問題は、大体の経営者はこう考えることです。「ならば、海外で儲けるほうが得じゃん!」
そうです。海外の方が税率が低いので、海外で儲けた方が、連結で持っていかれる税金が少なくなる。
そして、A社からB社に安い価格で製品を販売し(=移転価格)、海外子会社B社からたくさん販売して儲けれるようにします。
この不当に安い価格で子会社に製品を売ることが違反になります。
この場合、日本国が税金をとりっぱぐれ、海外の国が税金を多くもらうことになりますね。
よって、日本の税務当局からがっぽり追徴課税をくらうことになります!
なので、この移転価格を不当に安くしないで、世間並みの価格にすること、と国際的に取り決めています。
(実務では、この世間並みの価格ってのが難しいのですが・・・)
子会社の役割も問われる
この恣意的な課税逃れの話だけであれば、まぁ分かりやすいのですが、実は、この海外子会社B社ってどんな役割の会社かというのも問われます。
そしてその結果によっても移転価格が変わってくるのです。
これも簡単に言いますと、例えば、日本A社が、ある製品を製造・販売している。海外子会社B社は、単にそのA社と同じ製品を製造しているだけで、お客さんへの販売や研究開発は日本A社がやっている場合、
「B社は、ただ製造しているだけじゃん!(=A社から製造受託)」と、認識され、
「だったら、もっと利益は日本A社に残すべきで、B社は少しの利益でいいよ」という展開になります。
その結果、B社からA社にその製品の販売がある場合、その価格を低く抑えることでB社に利益があまり残らないように調整します。
このとき、論点になるのは、このB社の役割です。
最初は、それぞれの国の税務当局と交渉するのですが、この例の場合、当然、日本はB社の機能を低く評価したい、海外はB社の機能を高く評価したいはずです。
そして企業と各国税務当局との交渉が難航した場合、
「もういいよ!税務当局の間で決着してくれ!」と国同士の交渉に委ねることができちゃいます。
これをバイAPAといいます。またWikiさんです。
移転価格課税リスクをあらかじめ回避するために、取引に先立って企業が課税当局との間で、国外関連者との取引価格が独立企業間価格であるとの確認を得る制度があり、これをAPA(事前確認制度、英: Advance Pricing Arrangement、米国では Agreement)という。APAは大きく分けて2種類あり、ひとつは、国外関連取引当事者一方とその所在する国の当局とのみで行う「ユニラテラルAPA」で、もう一つは当事者双方がそれぞれの所在地国の当局とで行う、「バイラテラルAPA」である。バイラテラルAPAは両所在地国の当局間の相互協議での合意が前提であることから、合意され、その合意にしたがって国外関連取引を行う限り、国際的二重課税のリスクはなくなる。
実際にB社にいると分かる問題点
この例の場合、B社は、日本A社に利益のほとんどを持っていかれるわけです。
つまり、稼いでも稼いでもB社には、利益は残りません。
B社の社員はモチベーションが上がらないですよね。当たり前です。稼いでも稼いでも吸い上げられるのですから。
逆に言うとある一定の利益は保証されているともいえるので、安泰は安泰ですが、つまらないですよね。
なので、子会社B社を経営するトップは、いかに現地社員のやる気を上げるかが重要な課題になります。
ではまた。今日もブログを読んでいただき、ありがとうございます😊