以前から女性の地位が向上してきた歴史についてとても不思議に思っていました。
女性は、体格的に男性より劣ることから、大昔から男性に支配されてきた歴史であり、地位は非常に低いものでありました。
(例外的にたまに女性の権力者が現れましたが)
批判を恐れずに言えば、男性の立場からすると、
女性の地位は低いままの方が何かと都合がいい
ように思う(最低の人間ですね、僕)のですが、なぜ女性の地位が高くなったのでしょうか。
20世紀より前であれば、女性が何か気に食わないことをしたときには、男性は力でねじ伏せればよかったのでしょうが、今はそういうわけにはいきません。
自分のケースで考えても、確かに嫁に全く頭が上がりません。
人類の歴史にいったい何が起こったのでしょうか。
女性参政権
普通選挙自体はフランス革命(1789年)で実現しましたが、まだ女性に参政権はありませんでした。
欧米で女性参政権が実現したのは、20世紀になってからです。概ね20世紀半ばまでには主要国で認められています。
日本では、大正デモクラシー(1910~1920年代)の時期に、女性の参政権を求める機運が高まったが、戦争により実現せず。
結局、第二次世界大戦後の1945年にやっと認められることになります。
20世紀中にだいたいの国で女性参政権が認められたわけですが、ポイントはなぜ認められるようになったのか?です。
その背景は何でしょうか。
女性の地位が向上した背景
社会の労働力として不可欠な存在になってきたことが背景ではないでしょうか。
女性は、大昔から農作業などに従事してきましたが、イギリスで産業革命(1790~40年間ぐらい)がおこり、工場で女性が戦力になり始めました。
その後、タイプライターや電話の交換手など女性が活躍できる職業が生まれてきました。
ここで重要なことは、農作業とは違い、これらの仕事で女性が収入を得るようになったことです。
やはり男性から認めらる存在になるには、労働力として社会的に認められる必要があったのだろうと思います。
決定的なイベントは第一次世界大戦
そして第一次世界大戦(1914年~1918年)が勃発。1000万人もの犠牲者を出した史上初の世界大戦でしたが、女性の地位向上には大きな契機となる戦争でした。
多くの男性が戦場に狩りだされたため、労働力が大幅に不足。その結果、あらゆる職場で女性の社会進出が一気に進みました。
多くの国で女性参政権が認められたのも、この頃ですね。
数十年後の第二次世界大戦でも同様のことが起きました。
その後はとんとん拍子で、サービス業の発展、男女平等のムーブメントにより更に地位向上、1970年代についにセクハラという言葉が米国で誕生しました。
日本でも1989年に初のセクハラ裁判が起こり、1990年代には社会に定着。
そして#MeTooのムーブメント。現在に至る。
まとめ
この歴史から分かることは、おそらく女性に限らずですが、社会から認められることが地位向上に結び付くということです。
社会から認められる=社会に何等かの貢献をしている=社会から収入を得ている、ということでしょうか。
逆に農作業に従事していた頃の女性、家庭にいた頃の女性は、その価値が認められにくかったのでしょう。
(今の専業主婦もそんな感じですよね。うちの嫁が聞いたらキレそうですが。)
2つの世界大戦がもしなかったら。。。どうなっていたか?
例えば途上国での女性の扱いを考えると、今のような地位を築くのは厳しかったかもしれませんね。
今や男女平等が当たり前の世の中ですが、世界大戦という偶然の産物でもあるところがとても興味深い。
もちろん先人の不断の努力もあり、今の平和な男女平等の世の中があるのですが。
ではまた。